●オキトラギス
以前であれば、本日報告の写真の撮影水深を明確には書けませんでしたが、
テクニカルダイバーになった今では堂々と書けます。
テクニカルダイバーのマニュアルの序章に、「無理してテクニカルダイビングの
資格を取得しなくても、ダイビングは十分に楽しめるものです」と書かれており
面白い事に、このマニュアルは"やらなくても良い"と言う表現が沢山出てきます。
「普通のダイビング器財の倍近い重い器財を背負い、余分な体力を使って危険な
深度の水域にわざわざ行かなくてもダイビングは十分楽しいですよ」と言いたいん
だと思うんですが、さぁ頑張ってテッキーになろうと勉強をしている者にとっては、
思わず「えっ?」と感じてしまいます。
これはきっと、アメリカ人と日本人の感覚の差なんでしようね。
オキトラギス 学名 Parapercis multifasciata
スズキ目 / トラギス科 / クギベラ属
撮影 2010年2月:大瀬崎 先端 水深-50m 大きさ 約150mm
生息域 新潟県、及び東京都以南 ~ 朝鮮半島、台湾など。
珊瑚礁域をのぞく、水深100m前後の大陸棚砂泥底に生息してます。
背鰭と尻鰭はそれぞれ基底部が長く、身体は丸く細長い形をしており、体側面に
暗赤色で細長い横帯が2本づつ相接近して5対入ります。
また、尾鰭の基底部辺りに黒班点があるのも特徴のひとつで、下の写真の様に
真正面から見ると、まるで口紅を引いて、ほお紅を付けた様な化粧顔をしており、
とっても可愛いトラギスです。
しかし蒲鉾などの練り物の原材料として使われているらしく、こんな可愛い
サカナがと思ってしまいます。
と偉そうに本種の特徴を上述しておりますが、実は自分は本種は今回が初観察
にて、恥ずかしながら海の中で見た時は名前が判らなく、眼の形状から判別して、
しましまの綺麗な顔したトラギスだな~と思い、ダイビング後に図鑑で調べてみて
名前が判明しました。
大瀬崎の先端のこの深度に潜るのは初めてでは無く、今までにも見ていたとは
思うのですが、きっと中層を泳ぐハナダイやベラばかり見ていて、ちっとも気づか
なかったんだと思います。
今回は本種以外にも、水底近辺で生息している生物の初撮影が多くあり、今まで
自分の目は、いかに節穴であったか痛感させられた次第です。